Momentum Global Investment Managementは、登録すると、その運用するファンドの保有者でなくても、敷居が低く使い勝手がよいファンドラップ口座を保有していなくても、マーケットレポート(英語)を配信してもらえます。これがなかなか出来栄えがよくて、しかも各指標がきれいにまとまっていて、勉強会でおさらいするマーケットアップデートの時間のなかでもよく引用させてもらっています。
ブログの記事は有志の勉強会と違って、インターネットに公開されてしまいますから、二次配信となって訳したり引用したりすることはできません。そこで今日は題名とさわりだけこんな良いレポートがあるんですよ、という宣伝的に書き留めておきたいと思います。
まず、題名が、「Bigger than the Roman Empire」 ローマ帝国より巨大ってなんじゃそれ? って感じですよね。よく、大きいことは良いことだと言いますが、ことファンドの世界では必ずしも当てはまらないというのがモーメンタムの考えです。
ファンド・オブ・ファンズを運用しているモーメンタムにとって、投資先のファンドを選ぶ際、絶対的に優先するのは、モーメンタムから見てだけでなく、モーメンタムの投資家から見ても、そのファンドが信頼に値するかどうかということです。
つまり、モーメンタムは、ただ、運用方針、ファンドマネージャーの腕の良さ、実績などだけでなく、その運用会社の信用度、ファンドの信用度まで総合的に勘案して投資先を選択しなければならないのです。
すると、デカイことは良い事かい? という疑問が生じてくるわけです。紀元前117年に最盛を誇り、現代のポルトガルからイラクまで5百万平方キロメートルという広大な領土を収めたローマ帝国も、自国の統治に手間ひまがかかりすぎ、徐々にコントロールを失って衰退しました。今週のレポートでは、これにクジラ級✕10、あるいは100のようなファンドに少々無理矢理なぞった話がでています。
為替でも株式でも、売買するにあたり、インダイレクトコスト、つまり目に見えない経費がかかります。為替で言えば、オーファービッドというスプレッドがその典型例で、あまりに小さい金額はもちろんですが、逆にあまりに大きい金額でもスプレッドは広がってしまいます。
株式なら、最小取引単位以下の小ささは論外としても、逆にあまりに大きい取引を求めるとそれだけで気配値が動いてしまい、結果的にファンドマネージャーの思惑よりかなり悪い値でないと成約しないというケースも多々あります。
今の投資信託は欧米オンショアにおいても、オフショアにおいても、ファンドサイズにルールや基準はありません。大きくても小さくてもファンドが適法に維持できればそれでいいのです。しかし、モーメンタムにとっては、ファンド・オブ・ファンズのマネージャーとして、それが投資家にベストかどうかしっかり見極める必要があります。
もちろん、簡単に判別できるものではありませんが、過去のパフォーマンスや、経費関係の明細のチェックはもちろん、ファンドサイズの推移などもしっかり見ながら、ファンドチョイスをしていきたい、とのことでした。
ファンド・オブ・ファンズもただ適当に買い揃えているわけではない、だから多少のコスト二重払いは、必要経費ということですね。強く賛同します。